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幻の大寺

国東半島でもう一ヶ所是非とも訪ねてみたい所に「真木大堂」があります。

熊野磨崖仏より3キロメートルほどのところにあります。現地に着くと通りを挟んで広い駐車場があり、多くの参拝者や観光客が訪れるのだろうと推測できましたが、この日は訪れる人も疎らで人混みがあまり好きではない私には幸運でした。
駐車場から道を渡り数段の石段を上ると右手に宗務所(案内所)があり、こちらでご朱印をお願いし、拝観料の300円をお納めしました。

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真木大堂六郷満山本山本寺8ヶ寺の一つとして36坊を有し六郷満山寺院最大の寺院であった馬城山伝乗寺のゆかりの地で各寺坊のご本尊をこの堂に集め守り続けておられます。
その馬城山(まきさん)伝乗寺は、国東半島に点在する六郷満山の他の天台宗の寺院と同様に、仁聞菩薩により養老2年(718年)に開基されたと伝えられています。

まずは右手の旧本堂にお参りをさせていただきます。

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旧本堂は永い間仏像を安置してあった真木大堂旧堂で江戸時代のものとされています。
正面には国東半島では極めて珍しい木造の仁王像がお祀りされています。
その仁王像の肩越しの朱塗りの扉には皇室の御紋章がありますが、鎌倉幕府より蒙古来襲の折に異国降伏の祈祷を行うよう指示があり、国難を救うため長期にわたり大祈祷が行われました。
その後、元を退けた恩賞として将軍家を経て朝廷より菊花の紋章が下賜されたそうです。
そして正面には阿弥陀如来掛け軸。

さぁいよいよ収蔵庫である「真木大堂」に・・・
収蔵庫内には、平安から中世にかけて花開いた六郷満山文化の栄華を色濃く残す本尊阿弥陀如来坐像、不動明王立像、大威徳明王立像、二童子立像、四天王立像の9体の平安仏が安置されていて、その保存状態は驚くほど良好でした。

左 大威徳明王

ご真言 おん しゅちり きゃらろは うん けん そわか

ご朱印

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中央 阿弥陀如来坐像・四天王立像

阿弥陀如来ご真言 おん あみりた ていせ(ぜ)い から うん
持国天ご真言   おん ぢりたらしゅたら らら はらまだな そわか
増長天ご真言   おん びろだきゃ やきしゃ ぢはたえい そわか
広目天ご真言   おん びろばくしゃ のうぎゃ ぢはたえい そわか
多聞天毘沙門天)おん べいしら まんだや そわか

ご朱印

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右 不動明王矜羯羅童子制咤迦童子

不動明王ご真言  なまく さまんだ ばさらだん せんだ まかろしやだ そわたや うんたらた かんまん(のうまく さんまんだ ばざらだん せんだ まかろしやだ そわたや うんたらた かんまん)

ご朱印

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その他境内には大晦日には参拝者も鐘を撞ける「鐘楼」や「熊野社」などがありますが、実はこのお寺の創建に関して確かな文献が存在せず『幻の大寺』と言われています。

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そんな悠久の歴史の流れと六郷満山特有の仏教文化に浸れる素敵なひと時を過ごすことができた参拝でした。
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タグ: 馬城山  伝乗寺  傳乗寺  真木大堂  幻の大寺  ご朱印  阿弥陀如来  不動明王  大威徳明王  二童子 

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仁聞菩薩自作の薬師如来(第十番 岩戸寺)

参拝日 2017.3.11

『概略』

石立山 岩戸寺 天台宗

大分県国東市国東町岩戸寺1232(地図

霊場御本尊 薬師如来坐像
ご真言 おん ころころ せんだり まとうぎ そわか(おん ばいせいぜい ばいせいぜい ばいせいじゃ さんぼり ぎゃてい そわか)

寺院御本尊 不動明王
ご真言 なま さまんだ ばさらなん せんだ まかろしゃな そはたや うんたらた かんまん
(なまく さまんだ ばさらなん せんだ まかろしゃな そわたや うんたらた かんまん・のうまく さんまんだ ばざら だん せんだ まかろしゃだ そわたや うんたらた かんまん)

岩戸寺は養老2年(718年)に仁聞菩薩によって開かれたと伝えられ、六郷満山の末山本寺でした。
末山(すえやま)本寺とは、一般大衆に布教するお寺のことだそうです。
ちなみに他に学問をするため本山(もとやま)、修行をするための中山(なかやま)ふたつの群がありました。

駐車場から少し長めの緩やかな上り坂の参道を進むと日本最古といわれる仁王像が迎えてくれます。

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仁王像の間を進むと山門があり、正面が本堂です。

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本堂にはご本尊の不動明王をお祀りし、その両脇に阿弥陀如来と釈迦牟尼が安置されています。

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こちらでご朱印をいただき、本堂左手より奥の院を目指します。

中腹まで差し掛かると、高さ3.3メートルの国東塔があります。
弘安6年(1283年)の銘があり、在銘の国東塔としては県下最古といわれ国の重要文化財となっています。

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国東塔より少し左に下ると茅葺の「講堂」があります。

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ここは無形文化財となっている「修正鬼会(しゅじょうおにえ)」の舞台となっている場所です。
その修正鬼会を執り行う僧侶は、参道沿いあった川で身を清めるそうです。

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この講堂内には江戸時代作といわれる薬師如来が奉安されています。

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元の山道に戻りさらに登ると正面に収蔵庫を兼ねた「薬師堂」に出ます。

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中には、霊場ご本尊で、平安後期に仁聞菩薩が自ら彫ったといわれるカヤの一木造りの薬師如来像があります。
保存状態もよくとても美しいお姿でした。

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その右手には寺号の謂れとも関係する「明賢」が修行した「明賢洞」もあります。

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話は横道に逸れますが、その謂れというのは

養老4年開基の仁聞菩薩六郷満山が成就した時、俊足の岩戸寺先達の明賢を奈良に遣わしました。
明賢が播磨の国に来たときに洋上に一身七頭の鬼形が漂うのを見て、これを加持力で岸に引き寄せ、その首を取り叡聞に至れば
「異敵の首を王城に埋めるは障りあり、汝が国に埋葬すべし」
との宣下により、吾山に埋め石の戸をもって堅く閉ざしたことにより石立山岩戸寺と号することになったそうです。

さて山道をいま少し登りつめると六所権現社にたどり着きます。
こちらでも神仏習合の修験の時代を彷彿とさす空気に満ち満ちていました。

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回向文

願わくは この功徳をもって あまねく 一切に及ぼし われらと衆生と皆共に仏道を成ぜんことを

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ご詠歌

あらとうと 岩戸の薬師 ぬかづ希(け)ば
         慈悲のみ心 十二のご誓願

ご朱印

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火難もくぐりぬけ(第二番 神宮寺)

参拝日 2017.3.4

『概略』

大嶽山 神宮寺

大分県国東市国東町横手8378(地図

霊場御本尊 大嶽不動明王
ご真言   なまく さまんだ ばざらなん せんだ まかろしゃな そわたや うんたらた かんまん

養老元年(717年)宇佐八幡関係の神宮寺として仁聞菩薩により開基され、寺号もそれにより名付けられたであろうと言われています。

この仁聞菩薩という人物は諸説ある謎に満ちた人物で、今日では実在の人物ではなかったとされる説が有力で、実際には宇佐神宮の神宮寺の弥勒寺の別当などを務めたと伝えられる法蓮、華厳、躰能、覚満といった僧侶を挙げる説もあります。
仁聞については宇佐神宮の祭神である八幡神自身あるいは八幡神に近しい神の仏教的表現・化身だと考えられています。

またまた話が横道に逸れましたが宇佐神宮の別当格としての高い寺格を誇っていた神宮寺も大きな災禍をくぐり抜けてきています。
神宮寺を火難が襲ったのは明治43年(1910年)のことです。

今では国の重要無形民俗文化財となっている「修正鬼会」という伝統行事の時の僧侶が持ち加持を行う松明の火が講堂に燃え移り、堂内の仏像もともに炎に包まれてしまいました。
焼け出された薬師如来像を含む8対の仏像は「焼け仏」として本堂に向き合うように立っている収蔵庫で一般公開されています。

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さらに収蔵庫には四人が同時に護摩修法を行える銅製の密教法具や懸け仏9面、修正鬼会面など国東独特の仏教文化を伝える品々が残っています。

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さて本堂は少し大きめな民家といった風情の建物で堂内にご本尊の不動明王が祀られています。
この不動明王、別名「大嶽不動」と呼ばれあらゆる祈願を成就してきたとして信仰をあつめています。

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本堂左手から苔むした参道を上ると奥の院の六所権現社が森の中に静かに佇んでいます。

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梁の部分に彩色の跡も残り往時の艶やかさが偲ばれます。

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六所権現は六郷山寺院の多くは鎮守社として祀っています。
六所権現とは通説によれば神功皇后・比咩大神・隼別皇子・大葉枝皇子・小葉枝皇子・雌鳥皇子の二女神(二所権現)と若宮四神(四所若宮)を以て六所の権現とし祀られているそうです。

また右手前には多数の石造物が並び、その中でも先端の相輪がスクッと伸びた国東塔は3メートル余りの高さがあり県指定の文化財となっています。

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回向文

願わくは この功徳をもって あまねく 一切に及ぼし われらと衆生と皆共に仏道を成ぜんことを

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ご詠歌

ふんぬの ふどうのいとくは おおたけに
     かみやほとけのいます じんぐうじ

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六郷満山 総持院(第一番 両子寺)

参拝日 2017.3.4

『概略』

六郷満山総持院 天台宗別格本山 足曳山 両子寺(ふたごじ)

大分県国東市安岐町両子1548(地図

霊場御本尊 大聖不動明王立像
ご真言   なまく さまんだ ばざらなん せんだ まかろしゃな そわたや うんたらた かんまん

走水観音堂から檀信徒の墓地(浄土苑)を左手に見ながら無明橋を目指します。
全国森林浴の森百選にも指定されている鬱蒼とした杉木立の中ひときわ色鮮やかな朱色が映える「無明橋」があり、そこより両子寺の参道が始まります。

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無明橋を渡るとどっしりと大地をつかむように仁王様が出迎えてくれます。

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この無明橋は両子山の七不思議のひとつで「橋の下に観音を祀り、不信心者もこの橋を渡れば信仰心が湧き、牛馬が通れば落橋する」と言われている橋だそうです。

また国東半島各地に点在する仁王像は130体にもなると言われていますが、ここの仁王像はその中でも最大級のものだそうで、その均整のとれたお姿から力強さがひしひしと伝わってきます。

仁王像の間を通り、苔むした不揃いの石段を登り詰め山門をくぐると境内へと入ります。
入り口には無人の拝観受付所があり拝観料200円をこちらに納めてから境内へと進みます。

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境内に入ると正面に納経所・参拝記念品の販売所・休憩所を兼ねた書院・客殿があり、その右手に四方宝形造、扇タル木、二段化粧の護摩堂(本堂)があり、こちらに九州三十六不動尊霊場のご本尊で鎌倉時代の作と言われる「大聖不動明王」様がお祀りされています。

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堂内に上がるとほの暗く密教独特の張りつめた空気が漂う中、自由に上に乗り、足を合わせられる「仏足石」もあり参拝者にとってはとてもありがたく感じられます。

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護摩堂での参拝、読経を終え、参拝順路に従い次は「大講堂」に行きます。

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回向文

願わくは この功徳をもって あまねく 一切に及ぼし われらと衆生と皆共に仏道を成ぜんことを

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ご詠歌

頼もしき 誓いは 春に あらねども
    枯れにし枝も 花ぞ 咲きける

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またこのお寺は、他の霊場巡礼で参拝しておりますので、併せて過去記事をご覧いただければ幸いです。
九州西国三十三観音霊場 

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観光地の間近に(第九十五番 明王寺)

参拝日 10.11.20

『概略』

遍照山 明王寺

大分県日田市淡窓2-3-25地図

豆田町の古い家並みや日田温泉で観光地となっている地域の程近くに明王寺はあります。
明治21年四国遍路により病を癒された水島安兵衛翁により豆田町に創建されたのが始まりで、大正15年に現在の淡窓に移転して、現在も「淡窓不動尊」として地域の方々に親しまれているお寺です。

重厚な入母屋造の本堂に祀られているご本尊の不動明王像は第2世住職の吉水隆禅師が京都の醍醐寺から招来した尊像で理源大師聖宝の作と伝わっています。

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またその本堂天井には格子の一つ一つに般若心経の一文字一文字が多くの人の筆により書かれていて壮観な眺めを形作っています。

境内にも数多くの石仏が並び信仰の篤さを感じられます。

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お参りを済ませた後、あまり行く方も少ないそうですが、多少距離が離れたところで車で行かざるを得ない場所に「奥の院」あると聞き及んでいたので、そちらにも足を延ばしてお参りすることにしました。

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折しも秋真っ盛り、ひっそりと静まり返った奥の院境内は錦秋の彩に極楽浄土を感じさせてくれました。

御本尊 不動明王立像
ご真言 のうまく さんまんだ ばざらだん 
    せんだまかろしゃだ そわたや うんたらた かんまん

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回向文

願わくは この功徳をもって あまねく 一切に及ぼし われらと衆生と皆共に仏道を成ぜんことを

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ご詠歌 不動なる威き心の 御仏に
     この身ゆだねて 今日を生きなん

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