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雷山観音(第八十二番 千如寺大悲王院)

参拝日 2013.2.9

『概略』

雷山 千如寺大悲王院 真言宗大覚寺派

福岡糸島雷山626(地図

御本尊 十一面千手観音立像
ご真言 おん ばざら たらま きりく

福岡と佐賀の県境に聳える山岳霊場・雷山の中腹に千如寺大悲王院の境内は広がります。
千如寺大悲王院は別名「雷山観音」と呼ばれ、神仏分離令以前は大悲王院より車でさらに10分ほど上ったところにある層増岐神社(雷山は別名層増岐山とも呼ばれていました)の中宮の雷神社に観音堂がありました。

雷山の歴史は古く、神代の時代、地主神である水火雷電神(雷大権現)が一夜のうちに山を削り、岩を砕いて雷音寺を建立、そして神功皇后が朝鮮出兵の折、戦勝を祈願したのが始まりで、178に雷大権現の招きで天竺霊鷲山(インド)の僧・清賀上人が創建したと伝えられています。

雷音寺は後に千如寺と称するようになって、山内三百坊を有する大寺院となって隆盛を極めました。
近世には中之坊、宝池坊、總持院が中心となり、さらには1753年には、筑前藩主・黒田継高が大悲王院を建立しました。

しかしながら、この大寺院も明治の廃仏毀釈の波には逃れようになく、各坊は廃止され、大悲王院のみが存続して、雷山千如寺大悲王院と称して現在に至っています。

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さて九州でも有数の古刹ゆえ、その歴史に触れるのにだいぶ文字を割いてしまいましたが、いよいよ雷山山頂を望むように建つ山門をくぐると枯山水の庭園の中に福岡県指定天然記念物ともなっている楓の大木があり、秋には多くの観楓客でも賑わっています。

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その庭園の先、右手に入母屋造妻入に入母屋造の向拝をつけた大悲王院の本堂が建っています。
こちらのご本尊は江戸時代の作になる千手観音坐像で、他に毘沙門天半跏像、不動明王坐像などが安置されています。

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本堂向かいには平成に建てられた仁王門、参道の突き当りの聖天堂の裏手には藁で覆われた「風穴」があり、この風穴は芥屋大門(けやのおおと)に続き、清賀上人が風の神を封じた跡と言われ、これに触れるとたちまち風が起こるといわれています。

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聖天堂より石段を上れば、宝形造の大きな観音堂があり、こちらは九州西国霊場第二十九番札所となっていて、前述の中宮より移された、開基の清賀上人の作と伝えられる像高463.6センチの大きな十一面千手観音様をはじめ九州三十六不動尊霊場第二十八番札所の霊場本尊である不動尊、平安後期の薬師如来や阿弥陀如来、鎌倉時代の多聞天、持国天、さらには後堂には千手観音の眷属の二十八部衆など重要文化財または重文級の尊像が数多く奉安されています。

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その観音堂の背後には「開山堂」があり、このお堂は大分県の国東半島にある有名な国宝・富貴寺大堂を参考にして建立されたそうです。
堂内にはこれもまた国の重要文化財の「清賀上人坐像」が安置されています。

一通りの参拝を終えて観音堂の回廊を下っても、境内には五百羅漢をはじめ大小さまざまな石仏が点在し、一日滞在しても見飽きない空間が広がっていました。

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回向文

願わくは この功徳をもって あまねく 一切に及ぼし われらと衆生と皆共に仏道を成ぜんことを

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ご詠歌

天の原 打ち轟かし 鳴る神の
   声もきえゆく 誓いとぞ聞く

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九州八十八ヶ所百八霊場は2014.4.12にめでたく結願いたし、ご存知の通り新たな巡礼を開始しております。
そこでこれから11月までは「沖縄ベース」滞在がほとんどとなりますので、頑張ってこのブログ上でも九州八十八ヶ所百八霊場を結願させたいと思っております。
タイミングを逸したレポとなりますがお付き合いください。

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