FC2ブログ

霎時施(こさめときどきふる)

朝晩の冷え込みとともに本格的な秋の到来を感じられる季節となって七十二候も「霎時施こさめときどきふる)」の候となりました。
時々小雨が降り、一雨ごとに気温が下がってきます。この一雨一雨が私たち人間や動物たちに「さぁ、冬支度を始めなさい」と告げています。

霎時施 こさめときどきふる

この時期、大陸からの冷たい寒気が日本海や東シナ海との温度差によって暖められ、それによって次々と細かい対流雲が発生し晴れたり曇ったり時には雨または雪を降らせたりします。

このようにパラパラと通り雨のように雨が降ったり、かと思えば傘を広げる間もなく青空が顔を出したりとこんな天気を「しぐれ」と言います。
また気温も秋晴れの下、軽く汗ばむほど気温が上がる日もあれば、寒気から吹き込む北風によってぐっと冷え込む日も出てきます。

女心と秋の空

こんな天気から即座に思い浮かぶ言葉に「女心と秋の空」があります。
実はこの「女心と秋の空」の女心の部分は「男心」だったのをご存じでしょうか。

秋の空

江戸時代ころまでは、男心は秋の空のように変わりやすい、つまり女性に対する愛情も移ろいやすく浮気の多さを表していたものです。

当時は女性が浮気することに対しては非常に厳しく罰せられたのに対して、男性の浮気に対しては比較的緩やかだったので、浮気な男性、女性に気が多い男性には気をつけなさい!という戒めの意味が込められていました。

それが明治から大正時代になると徐々に女性の地位も向上し強くなってきつつありましたので、それを境に感情の起伏が激しく気持ちが変わりやすいことなどから「女心」に変遷していきました。

しぐれ煮

さて話が少し逸れましたが、天気ことわざに「一雨一度」というのがあります。
秋は雨が降るごとに一度ずつ気温が下がるという意味なのですが、雨の後つまり低気圧が通過した後は大陸の高気圧つまり寒気が張り出してきて雨の前より少し気温が下がります。この繰り返しで秋が深まり紅葉も進んでいき、木々の彩りが鮮やかになっていきます。

そんな冷え込みが増した夜の晩酌、日本酒の熱燗の「肴」に「しぐれ煮」はいかがでしょうか。

ハマグリ 蛤 はまぐり

この「しぐれ煮」、名前の由来は諸説ありますが、主だったものでは
1. いろいろな風味が口の中を通り過ぎることから一時的に降る「時雨」に喩えられた。
2. しぐれ煮につかう蛤(ハマグリ)が最もおいしくなる時期だから
3. 短時間で仕上がる調理法が降ってはすぐにやむ時雨に似ていることから
などだそうです。
しぐれ煮を肴に熱燗をキューっと一杯、たまりませんねぇ。

時雨

今日はあちらこちらと横道に外れすぎましたが、最後に俳人で有名な松尾芭蕉時雨繋がりのお話しして終わりにしたいと思います。

旧暦の10月12日は俳人松尾芭蕉の亡くなられた日「芭蕉忌」ですが、別名「時雨忌」とも言います。
芭蕉は降ったり降らなかったりの不安定な時雨の気候を人の浮き沈みになぞらえ句材として数多くの句を詠んでいます。

時雨が降りそうな空模様は鬱陶しくどこかうら寂しく人生の儚さを感じさせる時節ですが、こんな日は心静かに今までのことを振り返りそして思いを馳せるには逆に打ってつけの時節であるかもしれません。

松尾芭蕉

~旅人と 我名呼ばれん 初時雨~
関連記事
スポンサーサイト



テーマ: 九州(福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島)・沖縄地方の各県の路線案内 - ジャンル: 地域情報

タグ: 歳時記  七十二候  霎時施  こさめときどきふる  しぐれ  時雨  しぐれ煮  女心と秋の空  松尾芭蕉 

[edit]

trackback --   Comment (0)

PAGE TOP

コメント

PAGE TOP

コメントの投稿

Secret

PAGE TOP

ご訪問者数

プロフィール

リンク

最新コメント

月別アーカイブ